フライトシム用ラダーペダルの自作 その1

自作というか大改造についてです。
自分は根っからの航空宇宙オタクで、若い頃は飛行機好きが高じて航空機整備士として働いていました。それに伴って今から20年ほど前はフライトシミュレータ関連にのめり込んでいた時期もありました。主にX-PLANEやFLY!、Graphic Simulations社のF/A-18 Hornetなどをよく飛ばしていました。しかし、当時の自分の主たるPC環境がMacだったせいもあってすぐに行き詰まってしまい、ここ15年ほどは全く離れていました。ところがです・・・昨年素晴らしいシミュレーターソフトが発売されました^ ^


ご存知、Microsoft Flight Simulator 2020です。今自分のメイン環境はWindowsに変わっています。これは再び手を出すしかない!と発売と同時に入手しました。実際に飛行してみるとMicrosoft Flight Simulator 2020(以降MSFS2020)は本当に素晴らしい体験をもたらしてくれました。MSFS2020は昨年発売後ほどなくしてVRに対応しました。たまたま仕事の都合上Oculus Quest2を持っていましたのでOculus Linkですぐに使ってみると、それは狭いモニターの中で操作するものとは別次元の飛行環境でした。まさに自分がいる場所がコックピットそのものなのです。心から感激しました。それ以来もうモニター環境でのフライトには戻ってこれずにいます。今年に入りヘッドセットをHP Reverb G2に変えたところ計器類がより鮮明に識別できるようになりさらにバーチャルな世界に入り浸っています。

フライトシミュレーターを楽しむ上で欠かせないのが操作系のコントロラー類です。マウスやキーボードでは没入感が大きく削がれますし何より操作が著しく困難です。自分も昨年MSFS2020発売が近いという噂を聞いてコントローラーをなんとかしようと思い、発売され始めたばかりのHONEYCOMB ALPHA FLIGHT CONTROLS YOKEを入手しておきました。

このヨークは精密でいて構造が堅牢ですごく良いものでしたが、スロットルやラダーがシリーズとしてはまだ発売されていない時期で、それらの操作をどうしようかといろいろ思案した挙句とりあえず一番安く入手できるもので間に合わせようと思いThrustmaster TFRP ラダーペダルとThrustmaster T16000M FCS HOTAS ジョイスティックセットをポチりました。

MSFS2020発売後は需要の高まりもあってこういった機器類は品薄や価格高騰があって入手困難でしたが、自分はMSFS発売数ヶ月前に入手していましたので思いの外安く手に入りました。

さて安く手に入ったのは良かったのですが、Thrustmasterのエントリーモデルであるこれらのコントローラーは基本的には良いものですが、気になる部分も少しありました。ジョイスティックには不満はないのですが、スラストレバーとラダーペダルがあまり良くないですね。どちらもあまりスムーズに動きません。何か改善策は無いものかと色々検索して調べたりしたのですが、自分であれこれ試した結果、スラストレバーは既存のグリス完全除去で潤滑なし、内部にある摩擦を増す部品を緩々にして使うのが一番しっくりしました。不自然なほどスルスル動くようになりましたが、自分にはそれが合っています^ ^
そしてラダーペダルの方はといえば、色々試みましたがどうにもこうにも改善しません。これは片足2本づつの金属レールの上を樹脂製の支えをスライドさせて動くもので、その摩擦による抵抗が動き始めに邪魔をするのでどうしても操作が急激になりがちです。海外の情報だと非常に高価なナントカというグリスを使うと良いなどの情報もありましたが、それも入手困難で高価なもので現実的ではありませんでした。
このラダー問題は非常に自分を苦しめました。と言いますのもMSFS2020購入当初は固定翼機を飛ばしていましたが、現在はヘリコプターばかり飛ばすようになったからです^ ^

無償アドオンのAirbus H135

ヘリコプターは固定翼機に比べてラダーペダルを頻繁に動かしますし何よりスムーズに動くことが肝要です。Thrustmaster TFRPでは思うように操作できず操縦も上達せず、なんだか楽しくなくなってきました。

そこで、ラダーペダルを自分でなんとかしようプロジェクト開始です!

かなり前置きが長くなってしまいました。
Thrustmasterのハイエンドラダーペダルを買うというのもありなのですが、それでは【ものづくり】愛好家らしくない思いましてThrustmaster TFRPのパーツを流用しつつ、3Dプリンターの助けも借りて大改造にチャレンジしてみたいと思います。何より自分で手を動かすことは脳梗塞後遺症のリハビリになるかなぁと・・・
先ほども述べましたが、ヘリコプターはホバリングさせる際に姿勢を細かく調整する必要があります。ラダーペダルは機体のヘディングを動かす為に常に左足を前に出すようにして細かく操作しています。この時どんなに微細な入力でも抵抗なくスムーズに動くようにするにはどうしたら良いか? 初めはAmazonなどで安価なリニアガイドレールを入手しようと思っていました。しかしこれに似たパーツが既に手元にあることに気づきました。当方が代理店をしている3DプリンターMIRACLP初期型モデルのリニアシャフトとブッシュです。

これが4本あればレールの代わりになります。既に退役しているプリンターですので分解して必要な数を取り出しました^ ^
さて、これからこのリニアシャフトを主要部品にして、Thrustmaster TFRPの可動部やポテンショメータなどを取り出し流用しつつスルスル動くラダーペダルを作ってみたいと思います。
余計な話が長すぎましたので実際の設計や組み立て状況などは次回からとしたいと思います。すみません^ ^

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